近年、世界中で人気を集めている韓国発のウェブコミック。その中でも、独特な世界観と個性豊かなキャラクターで多くの読者を魅了しているのが『神之塔』です。
本記事では、『神之塔』の作者SIUについて、その経歴や作品、そして知られざる素顔に迫ります。SIUの創作の秘密や影響を受けた作品、さらには休載の理由や今後の活動についても詳しく解説していきます。
SIUとは?
SIUは、韓国のウェブコミック作家、イ・ジョンフィのペンネームです 。「Slave In Utero」の略で、日本語に訳すと「子宮の中の奴隷」という意味になります。
大学では美術教育を専攻していましたが 、兵役中に漫画を描き始めたことがきっかけで、ウェブコミック作家としての道を歩み始めました。
デビュー作にして代表作『神之塔』
SIUにとって『神之塔』はデビュー作であり、現在のところ唯一の作品です 。
2010年から連載が開始されたこの作品は 、謎めいた塔「神之塔」に挑む少年 밤(二十五日の夜) の冒険を描いたダークファンタジーです。
塔を登ることで、自分の望むものが何でも手に入ると言われており、主人公の夜は親友のラヘルを追って塔に足を踏み入れます。
あらすじ
塔の外の世界を知らずに育った少年・夜。唯一の心の支えである少女・ラヘルが、ある日突然「塔」の中へと入っていってしまいます。
ラヘルを追いかけるため、밤もまた塔へと足を踏み入れることに。塔の中では、様々な試練が待ち受けており、夜はそこで多くの仲間たちと出会います。
『神之塔』の魅力
個性豊かなキャラクター
主人公の夜をはじめ、クンやラク、エンリュウなど、魅力的なキャラクターが多数登場します。
緻密な世界観
「神之塔」という独特な世界観の中で、選別者やランク制、ポジション、神水、シンスなどの設定、様々な種族や文化、階級などが複雑に絡み合い、壮大な物語が展開されます。
スリリングなストーリー
謎や伏線が散りばめられたストーリーは、読者を飽きさせません。
アニメ化もされた人気作
『神之塔』は、Line Webtoonで公式に英語翻訳が開始された最初のウェブコミックの一つであり 、韓国のウェブコミックを世界に広める先駆けとなりました。
世界中で人気を博し、2020年2月時点で45億ビューを記録しています 。
2020年にはTelecom Animation Filmによってアニメ化もされました 。アニメ化によってさらに人気が高まり、多くのファンを獲得しました。
アニメはCrunchyrollで配信されており 、シーズン1は好評を得ていましたが、シーズン2は作画やストーリー展開に関して賛否両論のようです。
SIUの創作の秘密
SIUは、インタビューやブログ記事などで、自身の創作の背景や影響を受けた作品について語っています。
影響を受けた作品
SIUは、幼い頃からアニメ映画を見て、独自のサイドストーリーを描いていたといいます 。登場人物の関係性を変えたり、結末を自分の理想のエンディングに変えたりすることで、創作の楽しさを覚えたようです。
漫画では、韓国漫画の黄金期を支えた作品や、『ドラゴンボール』『スラムダンク』『AKIRA』『寄生獣』といった日本の名作から影響を受けています 。
これらの作品から、アクション、ドラマ、キャラクター描写など、様々な要素を吸収し、独自のスタイルを確立していったと考えられます。
創作スタイル
SIUは、ウェブコミックという形式を選んだ理由について、「自分のウェブコミックシリーズを作るための道だと信じていたから」と語っています 。
ウェブコミックは作家がより自由に作品を発表できる場であり、読者との距離も近いという特徴があります。
SIUは、ウェブコミックという形式を通して、自身の作品を世界中の読者に届けたいという強い思いを持っていたと考えられます。
休載と復帰、そして今後の活動
SIUは、長年の連載による身体的な負担から、2022年夏に『神之塔』の連載を休止しました 。
特に、関節や背中、手首の痛みに悩まされていたといいます。
また、人気作品を毎週連載することの孤独感や、良い作品を提供しなければならないというプレッシャーも、休止の理由として挙げられています。
しかし、SIUは連載再開への意欲も示しており、ファンの期待に応えるように、2023年2月には連載を再開しています。
休止期間中は、多くのファンから応援メッセージが寄せられ、SIUの復帰を待ち望む声が多数上がっていました。
SIUは、『神之塔』を1000話まで続ける構想を持っていると語っており、まだまだ物語は広がりを見せることでしょう。
彼は、神之塔の世界には未登場のキャラクターや、家門の長、スレイヤーなど、今後登場する予定のキャラクターが数多く存在すると語っています。
家門の長一人ひとりのバックストーリーや、スレイヤーの歴史など、掘り下げていくべき要素は多く、壮大な物語を展開していくには1000話という長さが必要だと考えているようです。
よくある質問
Q. SIUの他の作品は?
A. SIUは、『神之塔』の世界観を壊さないように、過去に発表していた作品は非公開にしています 。そのため、『神之塔』が唯一の作品となっています。過去には、「Carnival」「Give me my Earth Back」「Peer To Peer」などの作品を発表していました [4, 53]。
Q. SIUはSNSをやっている?
A. SIUはメディアへの露出を避け、作品制作に集中するタイプの作家です 。そのため、個人のSNSアカウントなどの情報は公開されていません。
Q. 『神之塔』の最新話は?
A. 2025年1月12日現在、『神之塔』の最新話は617話です 。
Q. 『神之塔』は完結するの?
A. 作者のSIUは1000話まで続ける構想を語っています [8, 75]。現在のところ完結の目処は立っていませんが、物語はまだまだ続きそうです。
Q. 『神之塔』の今後の展開は?
A. SIUは、神之塔の世界には未登場のキャラクターや、家門の長、スレイヤーなど、今後登場する予定のキャラクターが数多く存在すると語っています [75]。家門の長一人ひとりのバックストーリーや、スレイヤーの歴史など、掘り下げていくべき要素は多く、壮大な物語が展開されていくと予想されます。
まとめ
『神之塔』は、韓国発のウェブコミックとして、世界中で人気を博している作品です。作者のSIUは、独特な世界観と魅力的なキャラクターを生み出し、多くの読者を魅了しています。
健康問題による休載期間を経て、再び創作活動に意欲を燃やすSIU。今後の『神之塔』の展開、そして新たな作品への挑戦に、期待が高まります。
参考リンク
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WEBTOON Unscrolled:https://books.wattpad.com/author-siu
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Naver Webtoon:https://comic.naver.com/webtoon/list?titleId=20853
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Crunchyroll:https://www.crunchyroll.com/