日常に潜む違和感、見えない恐怖、心の奥をえぐるような狂気──。
「ただ怖い」だけじゃ終わらない、読んだ後もしばらく心に残る。 そんな“心理スリラー・ホラー系”ウェブトゥーンが、今静かに注目を集めています。
今回ご紹介するのは、韓国発のゾクっとするウェブトゥーン作品の中でも、特に読者を“心理的に揺さぶる”名作3選。 グロやジャンプスケアに頼らない「静かなる恐怖」の世界へ、ようこそ。
韓国発!心理ホラー系ウェブトゥーンの魅力と特徴とは
心理スリラー系ウェブトゥーンが支持される理由
心理スリラー・ホラー作品は、「心の奥にある不安」や「常識のズレ」から生まれるじわじわとした恐怖が特徴です。
ウェブトゥーンでは、縦スクロール形式を活かして、読者の没入感を極限まで高めてくれる演出が満載。 気がつけば、息をするのを忘れるほどページを追っている──そんな体験が待っています。
韓国ウェブトゥーンの強みと演出力
韓国のクリエイターたちは、心理描写の繊細さに加えて、社会問題や家族の闇など、深いテーマを描く力に長けています。
背景の書き込みやコマ割りのセンスも高く、読者の“感情”に刺さる演出で、ただ怖いだけでは終わらない物語を展開してくれます。
なぜ日本の読者に刺さるのか?
文化的に近いからこそ、リアリティを感じやすい。けれど、少しだけ違う価値観や世界観が、不安と緊張感を生む──。
この“近すぎず遠すぎない距離感”が、日本の読者に特有の“共感型ホラー体験”を与えてくれるのです。
韓国発・心理スリラー&ホラー系おすすめウェブトゥーンBEST3

選出基準と全体の特徴
今回のランキングは以下の基準で選定しました
- 心理的恐怖の深さ
- 読後の衝撃度
- 作画と演出の完成度
- SNSやレビューでの評価の高さ
ジャンルとしては「ホラー」ですが、どれも単なる怖さではなく、「感情」と「倫理観」に揺さぶりをかけてくる作品ばかり。
第3位:肝臓を奪われた妻
作品概要とあらすじ
結婚は、人生を預ける選択だ。だが、その裏に臓器提供を目的とした計画があったとしたら──?
『肝臓を奪われた妻』(LINEマンガ)は、愛を信じたヒロインが、壮絶な裏切りと陰謀に晒される心理サスペンス×復讐劇。
ナリは、ごく普通の女性。しかし富豪一家との結婚をきっかけに、人生は一変する。 “違和感”はやがて確信に変わり、真実を知ったとき、彼女の瞳は復讐に燃え上がる。
“優しい夫”の正体と、静かに壊れていく日常
優しかった夫、家族の笑顔、穏やかな生活── それらすべてが「ある目的」のための演技だったとしたら? 信じていた人々が“加害者”に変わる瞬間の恐怖が、容赦なく描かれます。
「ナリの前に笑顔で現れた義母は、肝臓の血液型だけを気にしていた──。」
この“現実にありそうな恐怖”が、多くの読者をゾッとさせています。
恐怖の本質は人間関係にある
幽霊も怪異も登場しない。 それでも怖い──それは、「人間の心」が一番恐ろしいから。 信頼、結婚、家族……そのすべてが裏切られたとき、ナリはどうなるのか。 読者は彼女と一緒に、地獄を見ていくことになる。
第2位:瓜二つの娘
作品概要とあらすじ
ある日、娘と名乗る“もう一人の少女”が家に現れる── 『瓜二つの娘』は、母と娘の関係性をベースにした、記憶と正気を揺さぶるサイコロジカル・ホラー。
娘の顔、声、しぐさ……確かに似ている。だが、何かが“違う”。 スヨンの心に封印された過去のトラウマが、少しずつこじ開けられていく。
正しいのは誰か?狂っているのはどちらか?
この作品に登場するのは、モンスターでも幽霊でもない。 狂気の境界線に立たされた「母と娘」だ。
誰が正気で、誰が嘘をついていて、そして何が“本当の記憶”なのか。
「私はあなたの本当の娘です」——そう言う少女の声が、なぜか“聞き覚えのない声”だった。
読者はスヨンと一緒に、自分の“常識”を疑いながら読み進めることになる。
“母性”という役割が崩れ落ちる恐怖
母であること、娘を守ること、家庭という安全圏── それらが一つずつ剥がれ落ちていく。 そして最後に残るのは、 「この子は誰?私は誰?」という根源的な恐怖。
現実の延長にある“違和感ホラー”の傑作です。
第1位:死を喰らう愛
作品のあらすじと舞台設定
主人公・ヨナは恋人の突然の死をきっかけに、狂気へと堕ちていく。 彼を愛するあまり、「死んだって一緒にいたい」と願う彼女は、 やがて“彼の遺体”と生活を共にし始める──。
「あなたが死んでも、私はずっと“あなたの中”にいたい──。」
それは愛か、それとも妄執か。 「純粋な想い」が常軌を逸していく瞬間を、美しい静寂の中で描ききる問題作。
“静かな絵柄”が導く狂気
この作品には、派手な恐怖演出は存在しない。 あるのは、
- 日記帳に綴られた歪んだ幸福
- 冷蔵庫の中に保存された恋人の手
- 無機質な部屋で笑うヨナの姿
──こうした“静止画の狂気”が、読者の脳裏に焼き付きます。
なぜこの作品が1位なのか?
誰もが一度は経験する“愛する人を失う恐怖”。 その想いが限界を超えたとき、人はどうなってしまうのか。
ヨナの行動は異常。だが、完全に否定しきれない。
「愛してるなら、死んだあとも一緒にいたい」
そんな“理解したくない共感”が、心を掻き乱す。 まさに、“静かなる最恐”作品です。
まとめ:背筋が凍るウェブトゥーンを今こそ読め
本当に怖い作品は“心”に刺さる
怖さとは、血や幽霊ではなく、「人間そのもの」にある。 今回紹介した3作品は、すべて感情や倫理に切り込む“心理型ホラー”。 読んだ後の“沈黙”が、なにより恐ろしい余韻を残す。
恐怖の中に潜むメッセージを読み解け
- 信じていた人が裏切る恐怖
- 自分自身の中にある感情への疑念
- “愛”や“母性”といった普遍的テーマの裏側
──そうしたテーマが、読者の心に“刺さる恐怖”を生み出しているのです。
ただのホラーじゃない、これは“体験”だ
スマホひとつで味わえる、感情と神経を削る読書体験。 縦読みならではの没入感と演出、そして何より“人間の怖さ”を描く本作群は、 まさに読むべき価値のある作品です。