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2025年アメリカン・マンガ・アワード全貌|注目の受賞作と式典の見どころ解説

2025年アメリカン・マンガ・アワード全貌|注目の受賞作と式典の見どころ解説

今年も注目の「アメリカン・マンガ・アワード(American Manga Awards)」が、2025年8月21日に開催されることが決定しました。

授賞式はニューヨークにあるジャパン・ソサエティで行われ、今回は「Anime NYC」と共同開催

4日間で10万人以上のファンが集まる大型イベントの一角として、マンガ界の最新潮流を反映する式典となります。

本記事では、全7部門・35のノミネート作品をご紹介しながら、それぞれの魅力や注目ポイントを解説。

さらに、今年の殿堂入り受賞者を彩る「スタジオ・プロテウス」の功績を振り返ります。読者の皆さんにとって、式典の魅力を事前に深く理解するガイドになれば幸いです。

1. 新人賞(Best New Manga)

  • ひかるイン・ザ・ライト! 第1巻(松田舞/Scholastic Graphix / Azuki)
  • 龍とカメレオン 第1巻(石山諒/スクウェア・エニックス)
  • 気になってた人が男じゃなかった 第1巻(新井すみこ/Yen Press)
  • 君と宇宙を歩くために 第1巻(泥ノ田犬彦/講談社USA)
  • 天幕のジャードゥーガル 第1巻(トマトスープ/Yen Press)

注目ポイント:新人賞は“新鮮な作風やテーマの独自性”が鍵。スター候補として“君と宇宙を歩くために”や“龍とカメレオン”の独自世界観に注目です。

2. 継続シリーズ賞(Best Continuing Series)

  • 光が死んだ夏 第5巻(モクモクれん/Yen Press)
  • イノサン 第3巻(坂本眞一/Dark Horse)
  • サーチアンドデストロイ 第2巻(金子アツシ/Fantagraphics / MSX)
  • 薬屋のひとりごと 第12–13巻(日向夏・ねこクラゲ/スクウェア・エニックス)
  • ひらやすみ 第3–5巻(真造圭伍/Viz Media)

掘り下げ

  • 薬屋のひとりごと:北米でも相変わらず高い支持を維持。
  • サーチアンドデストロイ:ファンタジー×SFの融合が評価され、新たな読者層にも広がりつつあります。

3. 読み切り賞(Best One‑Shot Manga)

  • H・P・ラヴクラフト「宇宙からの色」漫画化(田辺剛/Dark Horse)
  • ブレインダメージ(駕籠真太郎/Fantagraphics)
  • かしこくて勇気ある子ども(山本美希/TOKYOPOP)
  • たまきとあまね(よしながふみ/Yen Press)
  • 星屑家族(幌山あき/Yen Press)

深化内容

読み切りは短編ならではの“着眼点と見せ方”が勝負。
たとえば「宇宙からの色」はラヴクラフト原作の異色翻案。「ブレインダメージ」は日常への冷静な視点で読者を惹きつけます。

4. クラシック作品の新装版賞(Best New Edition of Classic Manga)

11人いる!(萩尾望都/Denpa Books)

SHORT GAME(あだち充/Denpa Books)

妖虫(古賀新一/Living the Line / Smudge)

カムイ伝 第1巻(白土三平/Drawn & Quarterly)

あしたのジョー:ファイティング・フォー・トゥモロー 第1–2巻(高森朝雄、ちばてつや/講談社USA)

差別化視点:クラシック作品再刊では「カラー化」「翻訳の質」「装丁美」が鍵。
今年は「11人いる!」や「カムイ伝」が、新たな装丁で再評価されそうです。

5. 最優秀レタリング賞(Best Lettering)

  • 『あしたのジョー』第1~2巻 — Evan Hayden(講談社USA)
  • 猫人間 — Rebecca Sze(Seven Seas Entertainment)
  • Love Laid Bare — Robert Harkins(FAKKU)
  • うちの会社の小さい先輩の話 — Joven Voon(J-Novel Club)
  • サーチ・アンド・デストロイ 第2巻 — Phil Christie(Fantagraphics / MSX)

注目視点

文字デザインの妙技は字幕空間の“空気感や抑揚”を左右。
特に「サーチアンドデストロイ」は演出効果を支えるレタリングが秀逸です。

6. 最優秀翻訳賞(Best Translation)

  • オタクも恋も連鎖する 第1巻 — 翻訳:minami
  • Face Meat — 翻訳:Ryan Holmberg
  • サーチアンドデストロイ 第2巻 — 翻訳:Ben Applegate
  • ウルトラヘヴン 第1巻 — 翻訳:Ajani Oloye
  • 自来也物語 第1巻 — 翻訳:Andreas Kronborg Danielsen

品質評価:翻訳部門は“微妙なニュアンスの再現力”が評価対象。
「SEARCH AND DESTROY」は文化的背景や専門用語への細やかな再現が高評価とされています。

7. 最優秀出版デザイン賞(Best Publication Design)

  • カムイ伝 第1巻(デザイン:ルチア・ガルジウロ、トム・デヴリン)
  • プラネテス デラックス版 第1巻(ライリー・ヴァンダイク、カール・グスタフ・ホーン)
  • 海辺のベータ(デザイン:エムー・ルー)
  • Veli 第1巻(コウヘイ・ナワダ・デザイン・オフィス、レタリング:ケヴィン・ドルエル)
  • ジョジョの奇妙な冒険 スティール・ボール・ラン 第1巻(アダム・グラノ)

特色

装丁・視線誘導・カラー選定など“手に取る感動”を生む物理的デザインの総合力が評価ポイント。
「ジョジョ」や「プラネテス」は豪華版としての完成度の高さが期待大です。

特別部門:殿堂入り(Hall of Fame)

スタジオ・プロテウス

『攻殻機動隊』『無限の住人』などを英語圏へ紹介し、日本マンガのグローバル化を長年支えた功績を称えての受賞。
今年の殿堂入りは、その貢献が正式に評価される節目となりました。

補足情報:応募と審査の仕組み

応募数

30以上の出版社から375件の作品が集まり、部門ごとに各出版社3作品まで提出可能。

審査の視点

創作力、翻訳・デザイン・レタリングの質、英語圏における影響力など複数角度から評価。

まとめ:注目は“サーチアンドデストロイ”ほか多彩な部門横断型候補

サーチアンドデストロイは継続シリーズ・レタリング・翻訳と3部門でノミネートされ、最有力候補のひとつ。

新人、古典、デザイン、それぞれに魅力ある作品が揃い、どの部門でも“新発見”と“高いクオリティ”が共存しています。

注目イベント

8月21日の授賞式では業界関係者とファンが一堂に会し、マンガのこれまでとこれからを見つめ直す貴重な機会となるでしょう。

よくある質問(FAQ)

Q1:Anime NYCとの共同開催って?

A:マンハッタン・ジャヴィッツセンターで8/21~24に行われる大型イベントで、授賞式もこの場で実施されます。

Q2:ノミネート作品を事前に読める?

A:多くは英語版が北米書店や電子コミックで入手可能。クラシック系は再刊タイミングをチェックすると◎。

Q3:式典チケットは買える?

A:Anime NYCの公式ウェブサイトで、授賞式を含むパスが販売される見込みです。詳細は公式発表をご確認ください。

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