漫画を読み始めたたま。1ページ目から主人公が絶体絶命のピンチに陥っていて、目が釘付け!
そう!たまが思い出したのは、物語の冒頭からいきなり “話の途中” に読者を放り込む 「イン・メディアス・レス」 という技法。
まるで、 物語の世界にダイブ したような、 引き込まれる感覚 を味わえます。
この記事では、イン・メディアス・レスについて、
- 漫画、小説、映画、ドラマ… 様々なジャンルの最新作品例
- 心理学的な効果 や 歴史的背景
- 創作に役立つ 実践的なヒント
まで、 徹底的に解説 していきます!
イン・メディアス・レスってどんな技法?
定義と特徴を分かりやすく解説
イン・メディアス・レスは、ラテン語で "in the midst of things" を意味します。 日本語では 「物事の真っ只中」。物語の 核心部分 からスタートする手法です。
特徴 をまとめると…
- 読者の 好奇心 を刺激する
- ストーリー展開を 加速 させる
- 謎や伏線を 効果的に 提示できる
- 世界観やキャラクターを 印象的に 見せる
…など。読者をグッと惹きつける効果があります。
他の技法との違いは?
- 起承転結: 物語全体の構成を指す言葉。
- 伏線: 後々の展開に影響を与える要素。
イン・メディアス・レスは、あくまで 物語の始まり方 に焦点を当てた技法なんです。
様々な作品で使われているイン・メディアス・レス
漫画
- 『ONE PIECE』: 第1話からいきなり海賊の処刑シーンが登場。
- 『進撃の巨人』: 巨大な巨人が壁を破壊する衝撃的なシーンから物語が始まります。
- 『呪術廻戦』: 主人公が呪物を飲み込む緊迫のシーンからスタート。
- 『ダンダダン』: (2021年~) 怪奇現象マニアの少年と宇宙人マニアの少女が出会い、いきなりターボババアとの戦闘シーンから始まります。
小説
- 『ハリー・ポッターと賢者の石』: ハリーがダーズリー家に預けられるシーンから始まり、彼の生い立ちや魔法界の存在は後から明かされます。
- 『指輪物語』: ビルボの誕生パーティーのシーンから始まり、指輪の由来や中つ国の歴史は徐々に明らかになっていきます。
- 『プロジェクト・ヘイル・メアリー』: (2021年) 主人公が記憶喪失の状態で目を覚ますシーンから始まり、物語が進むにつれて、彼が置かれている状況や使命が明らかになっていきます。
映画
- 『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』: レイア姫がデス・スターの設計図をR2-D2に託すシーンから始まり、銀河帝国と反乱軍の戦いの背景は後から説明されます。
- 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』: マックスがウォーボーイズに捕まるシーンから始まり、荒廃した世界の様子や彼の過去は徐々に明らかになっていきます。
- 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』: (2022年) 主人公の女性が、コインランドリーを経営しながら、 multiverse の危機に立ち向かうという、混沌とした状況から物語が始まります。
ドラマ
- 『ゲーム・オブ・スローンズ』: ホワイト・ウォーカーの襲撃シーンから始まり、ウェスタロスの世界や各家の複雑な関係性は徐々に明らかになっていきます。
- 『ストレンジャー・シングス』: 少年ウィルの失踪事件から始まり、町で起こる不可解な現象や裏側の世界が徐々に明らかになっていきます。
- 『イカゲーム』: (2021年) 多額の借金を抱えた人々が、謎のサバイバルゲームに参加させられるところから物語が始まります。
音楽
- 交響曲: 古典派の交響曲では、ソナタ形式の第1楽章において、提示部を 主題の提示 からではなく、 劇的な展開 から始めることがあります。
- オペラ: 多くのオペラは、 物語の核心 や 登場人物の葛藤 を示すシーンから始まります。
これらの作品は、 冒頭から読者・視聴者の心を掴み 、物語の世界に引き込むことに成功しています。
イン・メディアス・レスの効果:なぜ惹きつけられるのか?
好奇心を刺激する
イン・メディアス・レスは、読者・視聴者に 「なぜ?」「どうして?」 と 疑問 を抱かせ、 謎解き をしたいという気持ちにさせます。 これは、 認知心理学 的に 「ゼイガルニク効果」 と呼ばれる現象と関連しています。
ストーリーへの没入感を高める
物語の冒頭から クライマックス のような展開を見せることで、読者・視聴者を 物語の世界 に引き込み、 感情移入 しやすくします。 VRゲームのような 没入感 を与える効果もあると言えるでしょう。
心理学的な効果
- ツァイガルニク効果: 人は、 未完了の事柄 の方が 完了した事柄 よりも記憶に残りやすいという心理効果 (Zeigarnik, 1927)。イン・メディアス・レスは、物語の冒頭で 未完了な状態 を提示することで、読者・視聴者の 記憶 に残りやすく、 興味 を持続させます。
イン・メディアス・レスの歴史
イン・メディアス・レスは、古代ギリシャの叙事詩 『オデュッセイア』 や 『イーリアス』 で既に用いられていました。
古代ギリシャ
口承で物語が伝えられていた時代、 聴衆の興味 を惹きつけるために、 物語の途中 から始める手法がとられていました。
例:ホメーロス『オデュッセイア』 - 主人公オデュッセウスがカリプソの島に囚われている場面から物語が始まり、トロイア戦争後の彼の冒険が語られます。
ローマ時代
詩人ホラティウスが 『詩論』 の中で、イン・メディアス・レスを 効果的な物語の技法 として紹介しました。
例:ホラティウス『詩論』 - "in medias res"という言葉が使われ、叙事詩は「物事の真っ只中」から始めるべきだと述べています。
中世
中世の騎士道物語などでも、イン・メディアス・レスが頻繁に用いられました。
例:アーサー王物語群 - 各物語は、アーサー王の生涯における様々な出来事から始まります。
近現代
小説、映画、漫画など、 様々なジャンルの作品 で広く使われています。
例:映画『パルプ・フィクション』(1994年) - 時系列がシャッフルされた構成で、それぞれの物語がイン・メディアス・レスで始まります。
創作に活かしてみよう!
効果的な使い方のポイント
- 読者・視聴者の興味を引くシーン を選ぶ
- 例:アクションシーン、衝撃的な事件、謎めいた状況など
- 謎や伏線 を散りばめる
- 例:主人公の過去、事件の真相、隠された目的など
- 後から理由を説明 する
- 例:回想シーン、登場人物の会話、状況説明など
構成例
- 主人公が危機に陥るシーン からスタート
- 過去の出来事を回想 する形で、物語の背景を説明
- 再び現在に戻り 、物語が展開していく
注意点
- 説明不足 にならないように、 必要な情報はしっかりと伝える
- 例:世界観、登場人物の関係性、物語の背景など
- 読者・視聴者 が 置いてけぼり にならないように、 分かりやすく説明 する
- 例:専門用語を避ける、複雑な設定を整理する、図解やイラストを使うなど
イン・メディアス・レスをもっと深く理解する
- 読者層を意識: 例えば、子供向けの漫画なら、分かりやすく exciting なシーンから始めるのが良いでしょう。
- バランス: イン・メディアス・レスで読者の興味を引きつけつつ、必要な情報はしっかりと伝えるようにしましょう。
イン・メディアス・レスのメリット・デメリット
メリット
- 読者・視聴者の興味・関心を惹きつけやすい
- 物語のテンポを速くし、飽きさせない
- 謎や伏線を効果的に提示できる
- 世界観やキャラクターを印象的に見せることができる
デメリット
- 情報不足 に陥りやすい
- 読者・視聴者 が 混乱 しやすい
- 過去の出来事 を説明するタイミングが難しい
まとめ
この記事では、「イン・メディアス・レス」について、様々な角度から解説しました。
イン・メディアス・レスは、 読者・視聴者を惹きつけ、物語を面白くする 魔法の技法です。
ぜひ、この記事を参考に、あなたの創作活動にも取り入れてみてください。
上で紹介した作品に触れて、イン・メディアス・レスの効果を体感してみよう!
自分の作品にイン・メディアス・レスを取り入れて、読者・視聴者を驚かせてみよう!
他の物語技法も学んで、表現の幅を広げてみよう!