「俺だけレベルアップな件」の物語で、君主(モナーク)と永い戦争を繰り広げてきた、光の勢力「支配者(ルーラー)」。
彼らは人類に力を与え、共に戦ってくれた、まさに「正義の味方」のように見えます。
しかし
その行動をよく見ると、「本当に彼らは“善”だったのか?」という大きな疑問が浮かび上がってきませんか?
この記事のテーマ
※注意※
この記事は、物語の根幹に関わる、最も重要なネタバレを含みます。原作を最後まで読んでいない方、アニメでの展開を楽しみにしている方は、十分にご注意ください。
「支配者(ルーラー)」とは何者か?その正体と誕生の経緯
まずは基本情報から
光から生まれた“宇宙の守護者”
支配者とは、物語の世界の創造主である「絶対者」によって「光」から創造された存在です。「光の破片」とも呼ばれ、世界の秩序と調和を維持する「守護者」としての役割を担っていました。彼らの使命は、対となる「闇の存在」である君主(モナーク)による宇宙の破壊を阻止することでした。
創造主への反逆:彼らが犯した“最初の大罪”
ここが重要!
(元支配者)影の君主アッシュボーンが袂を分かった理由
この反乱において、唯一絶対者への忠誠を貫いた支配者がいました。それが、後に初代「影の君主」となるアッシュボーンです。彼は仲間たちの裏切りに怒り、絶対者の意志を継ぐべく独自の道を歩み始めます。このアッシュボーンの存在が、支配者たちの正義が一枚岩ではなかったことを物語っています。
【光の側面】支配者が人類にもたらした“功績”
まずは“光”の功績から
功績①:君主による世界の破壊を阻止する
支配者たちの第一の目的は、君主による宇宙の破壊を阻止し、生命を守ることでした。その目的において、彼らは一貫して行動し、数千年にわたり壮絶な戦争を繰り広げてきました。
功績②:人類に力を与え、対抗手段を授ける(ハンターの誕生)
力の授与とシステムの起源
功績③:作中で人類と共闘した主な支配者(の器)たち
支配者の力「光の破片」を宿した人間たちは、国家権力級ハンターとして人類の希望となりました。主人公の父・水篠潤一郎や、アメリカ最強のトーマス・アンドレなどがその代表例です。彼らはその身を賭して、君主の侵略から世界を守りました。
【闇の側面】人類を犠牲にした非情な“罪”
正義の裏に潜む“闇”
矛盾①:地球を“戦場”として選んだ
支配者たちの最大の罪は、君主との戦争の新たな「戦場」として、地球を選んだことです。これにより、地球にはゲートが出現し、人類は否応なく神々の戦争に巻き込まれることになりました。人類を守るという目的のために、人類の世界を危険に晒したのです。
矛盾②:人間を“駒”として利用した
英雄か、駒か
矛盾③:「再生の杯」による絶望のループ
支配者たちは、時間を巻き戻す禁断の道具「再生の杯」を持っていました。これは、たとえ戦争に負けても世界を「やり直せる」という切り札ですが、見方を変えれば、人類が勝利するまで何度でも犠牲を強いる「絶望のループ」を可能にする、非情な装置でもありました。
【結論】支配者は正義か、必要悪か?
この問いに結論を出す
彼らの正義は“宇宙規模”であり、人類の幸福ではなかった
支配者たちの行動原理は、あくまで「宇宙の秩序を守る」という非常に大きな視点にありました。その目的のためなら、一つの惑星や一つの種族(人類)の犠牲はやむを得ない、と考える冷徹さを持っています。彼らの正義は、必ずしも人類の幸福とイコールではなかったのです。
物語における役割は「必要悪」としての“世界の調停者”
必要悪の側面
「君主」との比較で見える、その歪な正義
破壊という本能に従う「君主」と、秩序のために創造主をも殺す「支配者」。どちらが善でどちらが悪か、簡単には言えませんよね。
▼対となる存在「君主」たちの全貌はこちらで徹底解説!
https://web-novel.site/monarchs-ranking-solo/
まとめ:支配者の計画を超えた、水篠旬という“人間の選択”
物語の核心を振り返る
支配者たちは、人類を駒として利用し、自分たちの計画通りに戦争を終わらせようとしました。
最大の誤算
最終的に水篠旬は、支配者が用意した「再生の杯」を、彼らの意図とは異なる「全ての犠牲者を救う」という、どこまでも人間的な目的のために使います。
人間の選択が秩序を超えた